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開腹、開胸、心臓からの脱血

開腹、開胸、心臓からの脱血

 医師キャリア9年半の僕は最初は外科トレーニングをして、その後救急がメインになりました。よくドラマでは救急が手術をしていたりしますが、実際には手術まで救急で完結出来る施設は日本でもほんの10%くらいの病院しかありません。「何でもやるのが救急」のイメージですが、内科から外科まで全てを完全に出来る人はいないですし、外科医が常に待機している病院であればよっぽど緊急でなければ外科医にやってもらえば良いじゃないということになります。実際のところ救急医が手術をするのは外傷手術が多く、私の得意なところでもあります。ただ最後に手術をしたのはもう4,5年前くらいでその後は救急業務や研究に追われていました。開腹はよくやっていましたが、開胸するのは開胸心臓マッサージなど難易度があまり高くないものが多かったです。ただそのおかげで今でも外傷手術に関する原稿の執筆依頼がちょこちょこ来るのは嬉しいところです。

ボストンに来て、マウス相手に開腹して腸管を結紮したり、開胸して心臓から脱血したりしています。何だか懐かしい感じです。うまくこちらで研究成果が出たら、日本に帰ったらまた手術をしたいと思う今日この頃です。。研究も夢があって楽しいではありますが。このような外傷の病態のミトコンドリア機能やサイトカインの動きを見たりしているのですが、実際今まで見て来た患者でそのようなことが起こっているかと思うととても興味が湧いてきます。

うまく研究が形になったら、海外でも銃創や重症外傷の手術を沢山やってみたいなあ。
やりたいことはまだたくさん。


by kaigaiwataihenda | 2015-08-06 10:39 | ドクターKの研究
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